UoPeople MBA「企業法務、倫理、CSR」コースレビュー:学習時間、難易度、生存率

コース紹介

コースデータ

区分必修受講時期:2023/6/15 – 2023/8/10
受講前提基礎3科目管理会計、マーケティング、組織行動論
難易度※個人の感想です
クラス生存率95.83%DA8週目生徒数(23) ÷ DA1週目生徒数(24)
成績95.1点
学習時間98時間12h/週 * 8週間
DA: Discussion Assignment ※AY2024のMoodle更新による平均点開示廃止に伴い、平均点情報を削除しています。

シラバス:BUS 5115: Business Law, Ethics, and Social Responsibility

コース概要

本コースでは、組織の価値観や行動が社内外の利害関係者に与える影響と、組織リーダーとして、組織やチームメンバーに責任ある行動を促すための理由を、事例と共に学びます。

ケーススタディでは、実社会でも起こりえるリアルな状況設定を題材として、利害関係者間の競合する価値観から生じる倫理的なジレンマの特定や、グレーゾーンにおける意思決定手法などを学習します。それにより、実務でも役に立つ、倫理的意思決定フレームワークを使った思考方法を学ぶ事ができます。

  • ビジネスにおける倫理の概要
    • 利益相反(COI: Conflict of Interest)
    • サステナビリティにおける倫理
  • 会計における倫理
    • エンロン:会計倫理の教訓、SOX法
    • 会計とサステナビリティ
  • 倫理と環境への懸念
    • 蜂の寓話
    • エクアドルにおけるシェブロンの環境問題
  • 金融における倫理
    • サステナブルファイナンス
    • インサイダー取引
  • 法律における倫理
    • 知的財産
      • 遺伝子特許の倫理的、及び法的問題
    • 環境法
    • 遺伝子組換え生物
  • マーケティングにおける倫理
    • 虚偽広告
    • マーケティングとサステナビリティ
  • 経営における倫理
    • 5つの競争要因
    • サプライチェーンマネジメント
    • フェアトレード
    • のれん(Goodwill)
  • 経営計画における倫理
    • 企業の社会的責任(CSR: Corporate Social Responsibility)

受講後の感想

本コースでは新たに覚える事は比較的少なく、ケーススタディによる演習に最も時間を使いました。(新たに覚える事が少ない = 読書課題が少ないというわけではないです。)

ケーススタディは実際にありそうな題材が多く、各学習ユニットの主題に関する、例えば以下のようなシナリオが準備されています。

  • 銀行の監査報告書を確認していた会計士は、かつて自分が監査対応をし、現在は別な会計事務所の顧客となっている企業が、銀行に虚偽の財務諸表を提出している可能性に偶然気づく。顧客企業との守秘義務がある中で、会計士はどのように対応するべきか?
  • 自分のふとした発言がきっかけとなり、上司から個別に呼び出しを受け、会社の最善の利益とならない行動をとっている人物の具体的な情報を求められる。情報を提供しない場合、上司は自分も問題の一部と見なすと言う。これにはどのような倫理的ジレンマがあり、どのように対処するべきか?
  • 差し迫った従業員解雇の必要性に迫られた社長は、企業の利害関係者に対し、どこまで、どのように情報を開示するべきか?

これらの状況から、コースで学ぶ倫理的意思決定のフレームワークを使い、事実関係の確認、利害関係者と倫理的ジレンマの特定、想定される選択肢(主に功利主義、権利主義、正義主義の観点)の列挙と考察をした上で、推奨される行動と理由を取り纏めていきます。

もちろん、各ケーススタディに絶対的に正しい答えがあるわけではなく、採点基準は、それら倫理的意思決定のフレームワークに従った分析や記述がされているかという事なので、課題を仕上げるにはそれなりに時間はかかりますが、点数は稼ぎやすいような気はします。

そして、それらフレームワークを使ってケーススタディをこなし、ピアレビューで他の生徒のレポートを読むことで、次第に倫理的意思決定フレームワークの使い方や考え方が身につくようになっていきます。

このような、フレームワークに従った情報の整理や代替案の評価手法は、実際の実務における難しい意思決定の場面においても、ある程度有効に使えそうに感じました。

注意が必要なポイント

本コースでは、プレゼンビデオの提出課題があります。

日本人の私にとって英語プレゼンは、結構ハードルが高かったです..。とはいえ、好きなだけ撮りなおして気に入ったものを提出すればよいので、とりあえずやってみる、を繰り返せば良いのかなと思います。

私が受講した2023年6~8月のタームでは、ScreenPalが指定ツールでした。これは、アカウントを登録すると、最長15分の動画撮影ができて、その動画リンクをUoPeopleに提出する事ができます。

苦手と感じるものは最初にやった方が良いと思うので、英語プレゼンに不安がある方は、早めに環境をセットアップした上で、早めに試し撮りから着手される事をお勧めします。

私も最初はボロボロでしたが、3回目位からは見られるものになり、5回目のものを提出しました。

お役立ち情報

本コースはCovid-19に振り回されて、結構ピンチに陥りました 💦

Unit 1では同僚がCovid-19に感染し、私が急遽代打の出張などをこなして勉強どころではなくなり、Unit 7では自分自身がコロナに感染し、4日間発熱して仕事も勉強も全くできなくなりました。

とはいえ、今回のコースも、結果的に全ての課題を提出する事もできてます。

何故でしょう??

答えは予習にあります。ピープル大学では次学期のコースを自分で予約しますが、これは、以下のようにCGPA(累積成績平均点)に応じて、複数科目を登録する事ができます。

  • CGPA 3.75(93点位)以上の大学院生は、学期ごとに最大4コース
  • CGPA ≧ 2.50 ≦ 3.74(80~92点位) の大学院生は、学期ごとに最大2コース
  • 学業上の警告を受けている大学院生および/または CGPA が 2.50(80点位)未満の大学院生は、学期ごとに最大1コース

私は1学期1コースしか履修しませんが、コース登録は2科目以上しています。これは、実際にコースが始まると、登録したコースのUnit1から8までのテキストや課題が記載された “Learning Guide” が確認できるからです。

そして、そこから次学期の予習用にコーステキストや課題を保存し、実際に履修する科目以外はすぐに ”Course Drop” します。

ご参考までに、登録したコースは最初の週(Unit 1)のうちに ”Course Drop” すると、成績証明書には何も反映されず、GPAにも影響しません。そして、2~4週目(Unit 2~4)の間にコースを取り消す事は ”Course Drop” ではなく ”Course Withdrawal” となり、成績証明書には “W” の文字が表示されますが、CGPAには影響しません。

このようにして先行入手したテキストや課題は、ピープル大学大学院の場合、学期の合間には2~3週間のお休みがあるので、そこでの予習に使います。

私は実際にコースが始まる前に1~2週間分の予習をしておく事で、仕事の都合で学習時間が満足に取れそうにない時でも、これまで何とか乗り切る事ができてます。

私はこれまで何人かのクラスメートから、「仕事の都合でいくつかの課題を出せなかった」という声を聞いたことがあります。予測ではありますが、クラスの平均点を下回ってしまう学生は、恐らく課題の出来が悪かったというより、仕事の都合で出せなかった課題があり、それが成績に影響しているのではないかと思ってます。

仕事には波があるので、社会人がコンスタントに纏まった学習時間を確保するのは難しいですが、言い換えれば、全ての課題をもれなく提出する事さえできれば、ピープル大学では、平均点以上の成績は取れるのではないかと思ってます。

予習をしておけば繁忙期でも心の余裕を持つ事ができますので、学習のテクニックとして ”Course Drop” を活用する事を、是非ともお勧めしたいと思います。

※本記事の情報は2023年8月時点のものです。最新の情報は、ピープル大学の “GRADUATE CATALOG” をご確認ください。

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