【後編】こうすれば良かった..。大人の英語学習方法

英語を学ぶ

はじめに

本記事は私の英語学習履歴を振り返り、もし私が英語初学者に戻ったら、どのように英語を身に着けていくかを考察します。

前編では、私の英語への取り組み傾向を以下の通りに定義しました。

  • 英語学習そのものは楽しくない。(続きにくい)
  • 英語で何かを楽しんだり、新しい事を学ぶのは好き。
  • 学習用英語と実際の英語の難易度は、各段に違うと感じる。

後編ではこれら傾向に基づき、具体的な英語習得プロセスを、当時の自分に説明するつもりで紹介していきます。

まずは読解力!

前編の考察より、私の英語への取り組み傾向は「英語学習そのものは楽しくない。(続きにくい)」というものなので、学習期間はできるだけ短くし、早めに英語を使うフェーズである、「英語で何かを楽しんだり、新しい事を学ぶこと」への移行を目指したいと思います。

その場合、英語学習の目標は、ネイティブ向けに書かれた英文が読めるようになる事だと思います。

なぜなら、ネイティブ向けのコンテンツを使って何かをしようとした場合、まずは書かれている事や言っている事がわからないと、楽しむことも学ぶこともできないからです。

尚、これは断言できますが、少なくとも大人は、読めない英文を耳だけで聞いて理解できるわけがないと思ってます。そのため、リスニング力をつけようと思ったら、まずは長文を読めるようになる必要があります。

そして、文法的に理解できる文章であれば、多少長いセンテンスでも覚えやすくなりますし、そのようにして覚えたセンテンスは、書いたりしゃべったりする事もできますので、しっかりした読解力をつける事は、総合的な英語力を伸ばす上でも、とても大切なことだと思います。

とはいえ、私の傾向に「学習用英語と実際の英語の難易度は、各段に違うと感じる。」と書いている通り、いきなり最初からネイティブ向けの英文に挑むのはハードルが高すぎるので、まずは、ESL(English as a Second Language: 英語以外を母国語とする人たちのための英語)向けの長文を読める事を、第一ステップにします。

私が思う学習ステップを図解すると、以下の通りになります。

第一ステップ:ESL向け英文の理解

それでは、これら各項目を説明していきます。

①超英文解釈マニュアルを理解する

私が英文の読解力を上げるために、最も実践的だと考えている参考書は、前編でも触れた超英文解釈マニュアルなので、まずはこれを理解する事から始めます。そして、この本を理解する文法を覚えるための参考書は買いません。

これは、決して文法を軽んじているわけではなく、今でもピープル大学の課題をこなす中で、私程度の英語力だと、知らない単語や表現はいくらでも出てくるのですが、それらを調べるときに、いちいち文法書をめくって調べるようなことはしてませんし、だいたいはネット検索で解決します。

また、ネット検索で解決しないものが、文法書をめくって解決するとも思えません。

ではどうするかというと、超英文解釈マニュアルの理解には、品詞の種類と5文型、あとは時制も日本語とは異なる概念なので、これらは丁寧に学習しておく必要はあると思いますが、そのためには、参考書よりもYoutube動画の方がわかりやすくて効率的だと思います。

例えば、以下の動画には文法の基礎が大変コンパクトに纏まっています。

【超有料級】この動画1本で英文法基礎を完全攻略

この動画は一例ではありますが、文法の基礎をわかりやすい動画でYoutubeに公開されている方は非常に多いので、自分にあったレベルの動画を探し、ポイントをノートに書きとり取りながら視聴します。

そして、ある程度基礎的な文法がわかったと思ったら、早速「超英文解釈マニュアル」を読み始めます。

しかし、ここでは最初から一気に覚えようとせず、まずは8割主義でざっと読んでしまい、ESL向け英文に取り組んだ後にまた戻ってくるつもりで、全体概要を掴む事を優先します。

あと、英文を読むにはある程度の単語力は必要なので、それらに自信が無い場合は、基礎固めとして参考書1冊程度はやっておきます。

ただし、机に向かっての単語学習は私にはシンドイので、CDでも学習ができるDUO 3.0などを調達し、通勤などのスキマ時間に目と耳を使って覚えるなどの、自分が継続しやすいと思うやり方を考えます。

②ESL向けの英文に挑戦する

ある程度、超英文解釈マニュアルを理解したら、実際に英文を読んでみます。

ここで使うESL向け読み物は、私は市販の書籍はボリュームのわりに高いと感じるので、以下のような、ネットで無料で見られるコンテンツで十分だと思います。

アメリカ国営放送のVOAやイギリス公共放送のBBCは、英語学習者向けにコンテンツを提供しており、かなり充実してます。

ニュージーランドのヴィクトリア大学ウェリントン校の「Paul Nation’s resources」に公開されているGraded readersは、同じ小説でも、使っている単語数の多いものから少ないものまであるので、自分のレベルにあったコンテンツを探しやすそうです。

これらは一例ではありますが、お金を出さなくても、”ESL English”のようなキーワードで検索すれば、膨大な学習コンテンツを見つける事ができます。

ちなみに、多国籍な英語をミックスして良いか?を気にする方もいるかもしれませんが、私は気にしないほうが良いと思ってます。

なぜなら、実務でも勉強でも趣味でも、実際に英語を使う事になれば、様々な国の方と接する事になるので、早いうちから多様な英語に慣れておいた方が良いのではないでしょうか。

③ITツールは積極的に利用する

DeepL(翻訳ツール)

もし自分の読みたい読み物のレベルが高く感じられ、内容が理解できない時は、迷わずITツールの助けを借ります。

DeepLはAIベースの翻訳ツールで、Google翻訳よりも自然な文章に訳してくれることが多いです。アカウントの登録をしなくても、翻訳できる文字数などに制限はありますが、無料で使えます。

有料プランでは翻訳できる文字数が無制限になったり、用語集に登録できる用語の数が増えるので、便利に使えそうです。

私から見て、もう英語の勉強をする必要ないのでは?と思うような英語上級者の日本人の方でも、結構使っている方は多いように思います。

むしろ、ESLで英語で何かしている人々にとっては、今どきほぼ必須なのではないでしょうか。

HiNative(言語と文化の質問サービス)

HiNativeは外国語と文化のQ&Aサービスです。私は機械翻訳やネット検索でもわからない英文に出会ったときは、こちらで質問して解決してます。

アカウントの登録は必要になりますが、基本サービスは無料で使えます。

有料プランでは自分の質問を優先表示させたりできるようですが、無料プランでも、相手が答えやすいように質問を工夫すれば、ちゃんと誰かが答えてくれます。

例えば、「以下のセンテンスの意味は何ですか?」というような短文のオープンクエスチョンでは、回答者にとって、何が理解できてないかがわかづらく、答えにくい時があるかもしれません。

むしろ、少し文が長くなったとしても、「このセンテンスの意味を、私は以下のように理解したのですがあってますか?」というように、自分の理解や想定、もしくは背景を添えて質問すれば、回答者も何に困っているかがわかり、答えやすくなります。

④わかりにくい表現を蓄積する & ⑤スキマ時間で繰り返し覚える

AnkiWeb( 暗記ツール)

英文を読んでいて出会うわからない表現や単語、DeepLで翻訳して理解できたり、HiNativeで教えてもらったことなどは、「ふーん」だけで終わらせず、覚えていく事が重要です。

とはいえ、私は物事を覚えるのが苦手ですし、机で英語の勉強をするのはあまり好きではないので、それら普段出会うわからない表現や単語は、とりあえずAnkiWebに、その時使っているデバイスから放り込んでおきます。

Ankiwebのシステムイメージ

AnkiWebはSpaced repetition(間隔反復)理論に基づいた「電子単語帳」で、Webアプリ、PCアプリ、スマホアプリ(Androidは無料、iOS版は4,000円)があり、マルチデバイスで同期ができる「電子単語帳」です。

間隔反復、分散学習、間隔伸張法、間隔をあけた復習とは、前の学習から、その学習内容の復習までの間隔を延ばしてゆくことにより、心理学の間隔効果を利用して効果をあげる学習技術である。

Wikipedia(間隔反復)

AnkiWebに放り込んだ単語や表現は、単語カードとして学習できます。

単語カードで学習するときに、答えを見て感じた難易度を、「もう一度」「難しい」「普通」「簡単」から選択することで、いい感じの間隔で再出題してくれます。

AnkiWebの使い方は、以下の動画をご覧ください。

【AnkiDroid】無料で使える暗記アプリはこれ一択!単語カードは自作して効率よく勉強する

尚、AnkiWebは単語カードに写真や音声まで入れる事ができ、作成の自由度が高いので、そこに凝り始めるときりがないです。

そのため、私はシンプルに「Basic(表裏反転カード付き)」で2つの暗記カードの同時作成を選択し、あまり考えずに放り込む(= カード作成)することにしてます。

登録の一例としては、以下のように裏面の覚えたい単語やセンテンスは、( )に置き換え、伏字になるようにしています。

Basic(表裏反転カード付き)のカード作成例

ここまでのまとめ

さて、ここまでのポイントをまとめると、以下の通りになります。

  • 文法単語学習に時間をかけすぎず「超英文解釈マニュアル」の理解を目指す。
  • ネットにあふれている、ESL向け読み物(長文)に挑む。
  • わからない表現や単語はAnkiWebに蓄積して、スキマ時間に覚える。

いかがでしょうか?わりと地味ですよね。💦

私は長らく、英語の長文を読むのが苦手だったのですが、逆に言うと、そこをいかに早く攻略できるかが、効率よく英語を習得できるポイントだったのではないかと思ってます。

文法や単語学習に時間をかけすぎないというのは、私は英語学習そのものを楽しく続けられないという理由もありますが、文法書や問題集に取り組むと、私の場合はそれだけでお腹一杯になってしまいます。

しかしながら、読解力は実際に英文を読まないと、決して上がりません。そのため、そのような意味においても、単語や文法の学習フェーズにはあまり時間をかけすぎないほうが良いと思ってます。

とはいえ、例えESL向けであっても、英語の長文を読むのは結構シンドイですよね。

なので、もし読んでいる英文のレベルが高く感じられたら、決してハードモードで頑張りすぎず、イージーモードにコンテンツを切り替えたり、ITツールの助けを借りながら、まずは英文を読むリズムをつかむ事と、AnkiWebでスキマ時間を有効活用する習慣をつけるのが良いと思います。

その後は?

ESL向けの読み物である程度英文を読むリズムがつかめたら、その次は「実際に英語を使う」事を、できるだけ早く生活に取り込んでいきたいですね。

そして、ESL向け読み物は学習用の読み物なので、いずれ「英語学習そのものは楽しくない。(続きにくい)」というゾーンに入る時が来てしまうので、私が思う英語習得の理想形は、以下の図のように、英語を使いながら覚えるに、少しずつ、早めにもっていく事かなと思います。

第二ステップ:英語を使う(赤文字は第一ステップとの差分)

英語を使う分野は、趣味・遊び、新しい分野の勉強など、興味が持てる分野であれば何でも良いと思いますが、例え断片的であっても、頑張って英語の仕事に関わっていき、「やらなければならない事」として生活に取り込んでいくのも、非常に効果的ではないかと思います。

英語を使う分野ごとの難易度は、以下の記事で若干触れてますのでご覧ください。

しかしながら、実際に英語を使う場面では、「書く」「話す」などのアウトプットも必要となります。

「話す」事も「書く」事ができなければ話せないと思うので、最後に、英語を書く際に役立つITツールをご紹介しておきます。

Grammarly(スペル、文法チェックツール)

Grammarlyは英文のスペルや文法の誤りをチェックし、適切な表現の提案までしてくれるツールです。

自分で書いてみた英文が間違ってないか、ちゃんと意図が伝わりそうかを、誰かに確認してもらいたくなりますよね。そこで役に立つのが、英文チェックツールのGrammarlyです。

What Is Grammarly?

Grammarlyを使うには、トップページから「Get Grammarly It’s free」をクリックし、アカウントを登録すれば、すぐに使い始める事ができます。

アカウントを登録した後は、Grammarlyのテキスト入力欄に添削したい英文をコピペするか、またはファイルをアップロード(Microsoft Word or OpenOffice形式)することで、英文のチェックを簡単に行う事ができます

以下は、WebブラウザからGrammarlyでDemo documentをチェックしたイメージです。

Grammarly Demo document

無料プランでも、Correctness(修正が必要)とClarity(読みやすさ)のチェックと修正提案を確認する事ができます。

有料プランでは更に、Engagement(読者の興味を引く表現)とDelivery(読者に正しい印象を与える表現)を確認する事ができます。

私はピープル大学の課題をこなすのに、Grammarlyに関しては有料プランを使ってます。自分で書いた英文の至らないところを、Grammarlyは忖度なしで指摘してくれるので、ライティングの効率が上がるだけでなく、表現力の勉強にもなると思います。

最後に

今回は少々長くなりましたが、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

私は自分の英語力に決して自信があるわけではなく、むしろ下手だと思ってますし、言いたい事が思うように言えずに苦労する場面の方が多いです。しかしながら、それでも英語で自分がやりたい事は最低限できてますので、英語を身に着けて本当に良かった思ってます。

よく、「英語ができるようになる」というと、母国語と同じくらいのレベルで英語を操れるようになる事を想像する方もいるかもしません。しかしながら、「英語を使って自分のやりたい事ができれば良い」という発想に変えれば、私はそこに到達するのは、大人になってからの英語学習でも、決して難しい事ではないと思ってます。

英語習得の難しさは、日々の小さな行動の一つ一つは大した違いにはならず、努力の結果が感じにくい事にあるかもしれませんが、それら日々の努力、もしくは妥協という習慣の積み重ねが、5年、10年と積み重なっていくと、将来的に大きな違いになるのではないでしょうか。

まいた種は必ず生えますし、それはもしかしたら、あなたの人生を大きく変える力になるかもしれません。

私はこの記事で紹介した英語習得方法を、必ずしも正しいと言い切るつもりは無いですが、もし私のような英語への取り組み傾向を持つ方に、この記事に書いた内容が少しでもお役に立つ事があれば嬉しい限りです。

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