オンラインMBAの難関!多国籍グループワーク攻略

初学者向け情報

ピープル大学 MBAのグループワークとは?

ピープル大学のグループワークでは、Moodle(オンライン学習プラットフォーム)でランダムに生成されたグループメンバーで共通の課題に取り組み、2~3週間でプレゼンスライドやレポートの取り纏めを行います。

それら資料は提出のみであり、プレゼンの機会はありません。

この記事では、多国籍なメンバーとのオンライングループワークに不安を感じる方のために、私がリーダー役を務めた時の推進例や注意点をご紹介します。

リーダーシップスタイル

私のグループワークでのリーダーシップスタイルは、PM理論で言うところのPm型です。ラーニングエージェンシーの記事によると、Pm型リーダーシップスタイルの特徴は以下の通りです。

成果を上げる力は強いが集団をまとめる力が弱い

ラーニングエージェンシー「PM理論とは?理論とリーダー育成における活用場面をわかりやすく解説

最初に申し上げておくと、このリーダーシップスタイルを取ると、チームメンバーから反発が出るかもしれません

しかしながら、ランダムに生成されるチームで短期間で成果を出そうとする場合、成果と調和は時としてトレードオフであり、現実的に、ある程度割り切った判断も必要だと思います。

メンバーへのコンタクト

まずはチームメンバーへコンタクトを取り、進め方のすり合わせをするところから始まります。

初期コンタクトは、グループワークが始まるとMoodleに「Group Activity Team Forum」というディスカッションエリアができますので、ここから問いかけるのが良いでしょう。

投稿する際は、「Separate groups」からクラス全体にではなく、自分がアサインされた「Project Group」を選択して投稿します。

Hello everyone, 

Do you all have any ideas or requests on how to proceed with the group work? Any comments would be appreciated. Thanks! 

Regards, 

Tom

コミュニケーション手段

メンバーとのカジュアルなコミュニケーション手段として、必須ではありませんが、WhatsAppでグループを作成し、コミュニケーションが取れるようにしておくと便利です。

日本以外でLINEが普及している国は少なく、ピープル大学の学生は比較的WhatsAppアカウントを持っている人は多いように見えますので、もしまだアカウントが無い方は、WhatsAppのダウンロードと設定を参照し、準備しておく事をお勧めします。

とはいえ、思い通りに進まないのがグループワークになので、メインの連絡手段はMoodleのGroup Activity Team Forumを使う事をお勧めします。

使い勝手はWhatsAppに劣りますが、Group Activity Team Forumであれば、いざという時にコースインストラクターも確認ができますし、返信が無い人も含め、全員が見える所に履歴を残せます。

役割分担:全体統括係の設定

チームメンバーと連絡が取れたら、最初に協議するのは役割分担です。

私がリーダーに必須だと思う役割は、資料の全体統括係(Overall Coordination)です。

この役割は最初に明確に示しておき、提出資料の作成と編集、及び全体的なコンテンツの取捨選択ができる権限が、最終的にはリーダーにある事を定義しておいた方が良いと思います。

この理由は、詳細は後述しますが、各自に割り当てたタスクは期待通りには出てきませんし、全体バランスを考慮してコンテンツを削除したり、課題要件より不足する要素を追加する必要は、どうしても出てきてしまいます。

また、ピープル大学から課題作成ソフトについての指定は無く、例えばプレゼン資料であれば、Google Slides, Prezi, PowerPointなど、何でも良いとなってます。

とはいえ、チームメンバーが異なるソフトで自由なテンプレートで作成したスライドを後から合成しようとすると、互換性の問題でレイアウトが崩れ、それらの内容確認や修正が結構大変になる事があります。

そのため、最終成果物を仕上げるプロセスでは、リーダーが自分が使いやすいソフトとテンプレートを使い、一気に仕上げた方が効率は良いです。

最終的に提出するファイルは、リーダーがPDF形式でメンバーに共有し、各自がそれを提出すれば問題ありません。

時差には要注意

タスクを各自に割り当ててスケジュールを決める際に、UoPeople時間だけでなく、各自のローカルタイムも見えるようにしておいた方が良いです。

日本は他国比べ、時計の針が進んでます(UTC +9)。世界標準時(UTC +0)のイギリス、それに近い時差のヨーロッパやアフリカより、7~9時間進んでますし、米国UoPeople時間(UTC-5)よりは、なんと14時間も進んでます。

課題の提出締切がUoPeople時間の水曜夜11:55 PMだとすると、この時の日本時間は、翌日木曜の昼13:55 PMです。

つまり、各自のタスクの締め切り時間は、これら時差を考慮した上で、丁寧にチームメンバーに周知しておかないと、日中仕事がある人は、最悪自分だけ課題提出ができない、という事態にもなりかねません。

そのため、私はこのようなスプレッドシートをGoogle Sheetsで共有し、マイルストーンと各自のローカルタイムがわかるようにしていました。

チームメンバーへのスケジュール共有例

各自のタスクは期待通りに仕上がらない

ピープル大学は条件を満たせば誰でも入学できるのは魅力ではありますが、そのせいか、生徒の質は非常にバラエティに富んでます。

ものすごくプロフェッショナルで、納期通りに完璧なタスクをこなしてくれる人もいれば、さんざん遅れてコピペだらけのタスクを提出してくる人、そもそも連絡が取れない人など、本当に様々です。

それから、基本的に仕事を持っている社会人が殆どなので、急に通信環境の悪いところに出張になってしまって対応できなくなる人、家族が緊急事態になってしまう人など、様々な事情も生じます。

実際、コロナに感染して対応不可という可能性も、考えておかねばならないご時世ですしね。

私の少ない経験でも様々な予期せぬ事態が出てくるので、各自のタスクは、まず予定通りに上がってこないし、ちゃんとやってくれたらラッキー位に思っておいた方が良いかもしれません。

認識違いに要注意

とはいえ、私もチームメンバーの時に、リーダーにご迷惑をお掛けしたことがあります。

チームメンバーで課題企業の業種を「Cleaning Service」に決めた時に、私の頭の中では「衣類のドライクリーニング店」と勝手に翻訳してました。

ところが、アメリカ人とアフリカ人メンバーの認識は、「自宅やビルの清掃をする会社」でした..。この時にストーリーをうまく修正し、資料に反映してくれたリーダーには感謝です。

あと、私がチームリーダーをやった時に、勘違いにより、他人のタスクを一生懸命やってしまったメンバーがいました。つまり、あるタスクが重複し、あるタスクが未対応になったわけですね..。

タスクの役割分担は、ドキュメントにわかりやすく纏めて共有するのが基本ではありますが、それでもよく読んでくれない人とか、私みたいに勝手な解釈で進めてしまう人は、残念ながら発生すると思います。

特に、やりたいタスクが被って調整したようなところは危ないので、リーダーもチームメンバーも、お互いの認識がちゃんとあっているか、慎重すぎるほど確認しあうのが丁度よい位かもしれないです。

波風は起こる

ピープル大学のグループワークで全員が与えられたタスクを、自分が思う通りに完璧にこなしてくれるのは、恐らく奇跡のようなものだと思います。

そのため、最終的には「全体統括係」の権限を発動し、皆が見えるGroup Activity Team Forumで生じている問題を共有し、対処方針と異議申し出の期限を宣言をしたうえで課題を仕上げていく必要が生じるかもしれませんが、この時の対応により、リーダーが独善的だとして、不満を持つメンバーも出てくるかもしれません。

実際、私もそのような不満をダイレクトメッセージで受け取りました。

私だけにあてられたメッセージなので、内容をそのまま転載するのは避けますが、日本語にして多少意訳すると、こんな感じです。

あなたの判断には、本当に失望しました。独善的な行動の説明も不十分です。

こんなメッセージを直接受け取ると、ドキッとしてしまいますね..。

私の心当たりは、私から見てこの方のタスクは資料の直接引用割合が高かったので、最終資料では、ほぼ書き直してしまったことです。

この方は最初、私のGroup Activity Team Forum投稿への反応が無かったため、私がダイレクトメッセージで個別に参加を呼び掛けたので、この方なりに時間を工面し、納期は遅れましたが、努力してアサインされたタスクをこなしてくれたのでしょう。

しかしながら、最終成果物で私がこの方のタスクの大部分を書き直してしまったので、それを見て、「だったら最初から声をかけるな」と感じたのかもしれません。

そして、後から私がGroup Activity Team Forumでチームメンバー宛てに投稿したメッセージを改めて読み返してみると、問題の共有や納期に関する案内が、恥ずかしながら、傲慢に見える事にも気付きました。

成果と調和のどちらかを選ぶ意思決定は、時として必要な事かもしれませんが、それとメンバーへの配慮をしなくて良いという事は、決してイコールではないですね..。

相手の立場や心情を想像し、それら配慮した対応をするという事は、いつ、いかなる場合も必要であり、今後、大いに改善の余地があると思いました。

リーダー経験から得られるもの

グループワークのリーダーは大変ではありますが、課題はコースのテーマを振り返り、その大部分を応用させようとするものが多いので、知識の棚卸にはとても有効です。

チームメンバーとのコミュニケーションや段取りでうまくいかないポイントは、実際に組織で仕事を進める上での注意点として、そのまま実務に活かせそうなものも多いのではないでしょうか。

私のPm型リーダーシップにより、コンフリクトも発生はしてしまいましたが、中には評価してくれたメンバーもいたと思います。

最後に、少し恥ずかしいですけど、良い事もあった例として、チームメンバーから受けたコメントをDeepLで翻訳し、固有名詞だけ編集したものを貼っておきます。

皆さん、こんにちは。
このプロジェクトが成功するために、チームの協力に感謝します。特にトムには、監督をありがとうございました。私はアップデートに目を通しましたが、皆さんは良い仕事をし、調整をしてくれたと思います。

皆さん、こんにちは。
私はただ、皆さんのハードワークと献身に、特にトムに感謝の気持ちを伝えたいと思います。あなたのリーダーシップは紛れもないもので、あなたの優しさは素晴らしいものです。
皆さんと一緒に仕事ができることを嬉しく思います。
皆さんに神の祝福がありますように。

こんにちは、トム。
あなたは私たちのグループプロジェクトとチームワークを大いにサポートしてくれました。あなたは、チームをゴールまで導く完璧なチームリーダーの見本のような存在です。あなたのレファレンスに対する熟練の技と、総責任者としての調整が、私たちが得た結果につながったのだと思います。この後のコースでまたお会いできることを願っています。
ありがとうございました。

感謝してもらえるのは、素直に嬉しいですね。リーダー役は大変ですけど、達成感もありますよ!

タイトルとURLをコピーしました