UoPeople MBA「経営情報システム」コースレビュー:学習時間、難易度、生存率

コース紹介

コースデータ

区分必修受講時期:2023/4/6 – 2023/5/31
受講前提基礎3科目管理会計、マーケティング、組織行動論
難易度★★※個人の感想です
クラス生存率96.43%DA8週目生徒数(27) ÷ DA1週目生徒数(28)
クラス平均点89.05点
成績95点
学習時間113時間14h/週 * 8週間
DA: Discussion Assignment ※AY2024のMoodle更新以降、クラス平均点は非開示となりました。

シラバス:BUS 5114: Management Information Systems and Technology

コース概要

本コースでは変化の激しい経営環境において、管理職として情報システムの役割を理解し、プロセスの合理化や効率化により、組織の競争上の優位性獲得に役立つ知識を学びます。

IT技術やシステム開発手法も学習範囲には含まれますが、それらは技術や手法の限界を理解するための前提条件として学ぶものであり、それ程深い知識の習得を求めるものではありません。

  • 経営情報システム
    • 知識経済(Knowledge Economy)において、マネージャーに求められるスキル
    • 持続的な競争優位の維持・確立と、情報システムが果たす役割
  • ITアーキテクチャ、ハードウェア、ソフトウェア、クラウド
    • ムーアの法則が、組織の持続的な競争優位性の確立に与える影響
  • データ、情報、知識
    • 「データ」、「情報」、「知識」の定義、競争優位性確立に貢献するポイント
    • データとデータマネジメントソリューションが、組織の意思決定に果たす役割
    • 破壊的イノベーション(Disruptive Innovation)とテクノロジーが果たす役割
  • ビッグデータ、データ分析、競争優位性
    • データの爆発的な増加(Data Explosion)
    • アナリティクスによる競争優位の実現
  • 情報システムによる競争優位の創出
    • ポーターのファイブフォースモデル
    • RBV(Resource Based View)
    • ニコラス・カー “IT Doesn’t Matter” の考察
  • 情報システムによるビジネスプロセスの支援
    • BPR (Business Process Re-engineering)
    • BPM (Business Process Management)
    • ERP (Enterprise Resource Planning)
  • 情報システムの設計・開発
    • システム開発ライフサイクル (Systems Development Life Cycle)
      • ウォーターフォールモデル
      • アジャイルソフトウェア開発
    • ポーターのバリューチェーン
  • 情報システムとグローバル化、倫理、セキュリティ
    • 情報システムがグローバル化に果たした役割
    • デジタルデバイドの3つの段階
    • 情報システムの倫理規定や法律(知的財産、個人情報)

受講後の感想

私はITが本職であり、高度情報処理技術者区分の試験にも合格してますので、本コースのテクノジー分野に関しては、比較的余裕がありました。

しかしながら、本コースの課題には実際の企業を題材としたケーススタディがあり、例えば、競争優位性の確立やバリューチェーンにおける価値創造に、情報システムが貢献するポイントや限界を論述させるものは、難易度が高いと感じました。

ケーススタディには正解が無く、何もない状態でそれら課題に取り組むのは難しいですが、本コースではポーターのファイブフォースモデルと競争戦略、バリューチェーン、RBV(Resource Based View)というフレームワークを学びますので、それらを使って企業のポジションを整理し、内部リソースから強みを分析する事で、課題で問われる分析の広さと深さ、論理的な整合性が確保できるように、コースがデザインがされていると感じました。

また、そのようなフレームワークを使って実際の企業を分析する事は、それなりに時間と頭を使いますが、実務でも大変役に立つ知識習得に有効だとも思いました。

注意が必要なポイント

本コースにはグループワークが無く、8週間で15課題と、他の科目より課題の数は少ないです(2023年4-5月期時点。同年1-3月期時点のファイナンスではグループワークを含み、8週間で22課題)。

前述したケーススタディについて、分析の幅と深さを限られた文字数で表現するようなものは、そもそも難易度が高く、恐らく高得点を取るのが難しいように感じます。そのため、そのような課題で得点を稼ぐのは難しいと割り切り、他で稼いだ方が良いように思います。

例えばAmazonを題材とし、同社が進出しているそれぞれの市場をバリューチェーンモデルで分析し、各市場間の競争優位性の違いを述べ、Amazonが今後も成功し続ける事ができるかを、1250~1500文字で論ぜよ、という課題がありました。

ルーブリックを見ると、Amazonのターゲット市場を幅広くリサーチする事が求められていますが、ご存じの通り、Amazonのビジネスは書籍だけでなく、ビデオ、音楽、雑貨、クラウドコンピューティング、デバイスなどの、多岐にわたります。

しかも、Amazonについては優れた先行研究も多いので、それらを見たことがある指導教官からすると、生徒の課題はかなり見劣りするのではないかと思います。

私もそのような課題は、たっぷり時間をかけた割には70点台前半のスコアとなり、がっかりしました..。もちろん、時間をかけてAmazonのような企業を分析する事は、勉強にはなりますけどね。

お役立ち情報

UoPeopleの読書課題は、時々とんでもない量が出てくる時があります。例えば、本コースのある週の読書課題は、以下の内訳で合計274ページありました。

  • PDF論文 7ページ
  • PDFテキスト① 195ページ
  • PDFテキスト② 43ページ
  • PDFテキスト③ 16ページ
  • Web記事 13ページ(PDF A4換算)

これは..。私にはとても1週間で読める文量ではありません💦

このような場合は、「とりあえず最初から読み始めてみよう」とはしないほうが良いと思います。

まずはアウトプット(課題)で問われている事を中心に理解を進め、必要に応じて外部情報で補完し、課題を仕上げていくのが良いと思います。

具体的なステップを箇条書きで書くと、以下の通りです。

  1. その週の課題を確認し、問われている「キーワード」を拾う。
  2. ネットで「キーワード」を検索し、大まかな意味を理解する。
  3. 読書課題の「要約」、「イントロ」、「結論」に相当する部分を読む。その後に「図や表」をよく見て、書かれている内容を推測する。
  4. 課題の大まかなアウトプットイメージを作る。
  5. 読書課題テキストを「キーワード」検索し、関係するページを拾い読みする。
  6. 課題のアウトプットを固めるための補足情報を、ネット検索やUoPeople Libraryで探す。
  7. 課題作成に着手する。

まともに読書課題に取り組んで時間が無くなると結構焦りますし、圧倒される事もあると思います。

そもそも、UoPeopleの推奨学習時間は15~20時間/週なので、このような課題を生徒が全て読むとは、出題する側も思ってないのではないかと、勝手に想像しております。

脱落するよりも続ける事が大切だと思いますので、このような手段も、時として必要なのではないでしょうか。

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