ピープル大学(UoPeople)オンラインMBAとは?

コース紹介

ピープル大学(UoPeople)の概要

ピープル大学(University of the People、略称 UoPeople)は、米国の非営利全国教育認定機関であるDEAC(Distance Education Accrediting Commission)に認定されたオンライン大学です。
ライブ授業は無く、コース学習や課題提出、ディスカッションは、Moodle(オープンソースのeラーニングプラットフォーム)上の文字コミュニケーションで完結します。

UoPeople’s Moodle Tutorial | Learn How To Navigate UoPeople’s Online Campus

有名大学のようなステータスはなく、学習の自由度が高い反面、継続には自律性が求められますが、非常にリーズナブルな価格で、経営学を体系的に学ぶことができます。

コースを修了する事で、正式な学位を得る事もできます。

公式HP:UoPeople Master of Business Administration (MBA)

アクティブラーニング メソッド

ピープル大学のように、学習者自身が調査やディスカッション、グループワークを通じ、自分の頭で考えて情報を整理する事で、問題解決能力の獲得を目指す学習スタイルを、アクティブラーニングと言います。

これは、学習者の思考力、判断力、表現力を高める学習スタイルとされていますが、講師から正解を教わる講義形式に慣れた方にとって、最初は特に違和感を感じるところかもしれません。

アクティブラーニングの学習効果を高めるコツは、ノートの纏め方にありますので、以下の記事もご覧ください。

MBAコースの入学要件

ピープル大学MBAコースへの入学要件にGMATスコアや入試はなく、要件を満たせば誰でも入学できます。
尚、学位取得ができる本科生(Degree Seeking Student)になるためには、基礎コース(Foundation Course)で一定以上の成績を修める必要があります。

公式HP:APPLICATION PROCESS

基礎コース(Foundation Course)の要件

  • 18歳以上
  • 大学の卒業証明書
  • 英語力の証明

英語力の証明方法

英語力の証明には、基本的には2つの方法があります。
1つめは、APPLICATION PROCESSに記載があるテストの、基準点を満たすスコアの提出です。
2023年1月現在の、主な対象試験と必要点数は以下の通りです。

  • TOEFL (PBT) 530点
  • TOEFL (IBT) 71点
  • IELTS 6.5
  • 英検準1級
  • CEFR C1 or C2
  • Duolingo 100

2つめは、ピープル大学の英語コースを受講し、所定の成績を修める事です。
APPLICATION PROCESSによると、ENGL 0101 English Composition 1を受講し、コース課題でC(GP 2.00)(※1)以上の成績と、最終試験で50%以上正解すれば条件を達成できるように見えますが、私はDuolingoテスト受験を選択しており、このプロセスを経験できていないため、詳細は割愛します。

(※1)GP 2.00は、73点/100点

本科生(Degree Seeking Student)の要件

  • 最初に履修する3コースのそれぞれで、B(GP 2.67)(※2)以上の成績を修めること。
     ※最初の3コースでBグレード未満があった場合、最大4コースまで履修を行い、4コースのCGPAで2.67(※2)以上の成績を修めること。
  • 職務経歴書(2年以上の実務経験)
  • 推薦状(上司、または教授)

(※2)GPはコース単体の点数であり、CGPAは累積成績平均点です。2.67は、80点/100点です。

カリキュラム

ピープル大学MBAのカリキュラムは、必修8コース、4つから3つを選ぶ選択コース、最終関門のキャップストーン・コースの、合計12コースです。
コースは最初から自由に選べるわけではなく、前提条件(Prerequisites)が必要なものもあります。
そのため、一番最初のタームは受講前提条件の無い、管理会計(BUS 5110 Managerial Accounting)、マーケティング(BUS 5112 Marketing Management)、組織行動論(BUS 5113 Organizational Theory and Behavior)から2コースが、自動的に割り当てられます。
2ターム目以降のコースは、自分で条件を満たすものを選択していきます。

公式HP:THE CURRICULUM

引用元:UoPeople Course Selection Guide, Master of Business Administration (MBA)

各コースのスコアはどうやって決まる?

各コースのスコアは、毎週の課題(Discussion Assignment, Written Assignment, Portfolio Activity)とグループワークの合計点数で決まります。
コースごとの一発試験はありません。(ENGL 0101 English Composition 1を除く)

グループワークについて、ピープル大学は条件さえ満たせば誰でも入学できますので、特に基礎コースでは、グループメンバーの当たり外れが相当あります。とはいえ、とりあえず単位さえ取得できれば良い、という事であれば、リーダー役の指示に従い、課題に参加して提出さえすれば、ほぼ及第点は得られます。

尚、もし全ての科目で良いスコアを狙いたいのであれば、自分がリーダーとなり、グループを引っ張るのが確実です。

MBAコース修了までにかかる費用

ピープル大学MBAコースの授業料、テキスト代は無料ですが、各コースには400ドルのアセスメントフィーが必要です。これら費用の12コース分と、出願料の60ドルが必要経費総額となります。
仮に1ターム1コースのペースで受講した場合、1ドル150円で試算した場合の、各年の支払額と総額は以下の通りです。

1年目 5コース 309,000円(2,060ドル)※出願料の60ドルを含む
2年目 5コース 300,000円(2,000ドル)
3年目 2コース 120,000円(800ドル)
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合 計 729,000円(4,860ドル) ※1ドル 150円での試算

請求タイミングは、各タームのWeek 5に入った段階で支払いのメール通知が届きます。
尚、請求を発生させたくない場合は、Academic Calendarに記載された、Course Withdrawal Period(Week 4)までに手続きを行えば、請求は発生しません。

 ※本HPに記載の費用情報は、2024年1月時点のものです。詳しくは公式HPをご覧ください。

公式HP: TOTAL ESTIMATED FEES

奨学金制度

ピープル大学には奨学金も準備されており、公式ページUoPeople Scholarshipsから「ロゴ画像」をクリックする事で、募集中の奨学金の詳細情報を確認する事ができます。

ピープル大学の奨学金情報一覧(2024年6月時点)

尚、奨学金により申込コースや出身地域、個人の状況などの前提条件が異なりますが、もしご自身に適合するものがあれば、先着順で申し込みができるようです。

情報は随時更新されてますので、気になる方は定期的に確認してみてください。

公式HP: UoPeople Scholarships

MBAコースの修了要件

ピープル大学MBAの修了要件は、以下の通りです。

  • 合計36単位、12コースを修了すること。
  • 8つの必修コースを修了し、各コースでC(GP 2.00)以上の成績を修めること。
  • 3つの選択コースを修了し、各コースでC(GP 2.00)以上の成績を修めること。
  • キャップストーン・コースでB(3.00)以上の成績を修めること。
  • 全コースのCGPAが、2.50以上(※3)であること。
  • 全コースを離籍期間を含め、25学期以内(5年以内)で修了すること。

(※3) CGPA
成績は各コースごとに100点満点で採点され、各スコアのレンジに応じたGP (Grade Points)が付与されます。CGPAは全GPの平均点数であり、12コースのCGPA 2.50は、おおよそ80点位です。

各週の課題は決して甘くはないものの、要件を満たす課題さえ全て提出すれば、各コースで合格点を得るのは、それ程難しい事では無いと思います。では、単位を落とす事態がどのような時に起こりえるかは、以下の記事をご参照ください。

Letter GradeGrade ScaleGrade Points
A+98-1004
A93-974
A-90-923.67
B+88-893.33
B83-873
B-80-822.67
C+78-792.33
C73-772
C-70-720

公式HP: ACADEMIC DEGREE REQUIREMENTS

社会人の学習戦略

著者は働きながらMBA学習をしてますが、よく聞かれる質問は「いつ勉強しているの?」というものです。

確かに、フルタイムで働いていると、纏まった学習時間の確保は簡単ではないかもしれませんが、学習を継続する一つのポイントは、スキマ時間の有効活用と、その積み重ねだと思います。

また、学習開始初期は最も辛く、厳しい時期ですが、2科目目以降からはだいぶ楽になり、基礎コースが過ぎて本科生になる頃には、勉強習慣が生活のリズムにも入ってきます。つまり、モチベーションの最も高い初期学習の時期を、いかに戦略的に取り組んで乗り切るかが大切です。

この辺については、別な記事に著者の学習実績やサンプルスケジュールを公開してますので、ご覧ください。

アメリカのオンライン大学でMBAを学ぶ事について、現実感が持てなく、ハードルが高いと感じる方も少なくないかもしれません。

しかしながら、ピープル大学は入試などの面倒な手続きも少なく、必要となる費用を一度に支払う必要もありませんので、もし興味があれば、まずは始めてしまうのが良いのではないかと思います。

それは、もしかしたら多くの方が思うほど、難しい事ではないかもしれません。

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